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「良い福利厚生」と「悪い福利厚生」の違いとは?

2015/11/13 執筆者 :

社員満足には<良い満足>と<悪い満足>の二種類があるように、福利厚生にも「良い福利厚生」と「悪い福利厚生」が実は存在しています。今回のコラムでは「良い福利厚生」と「悪い福利厚生」について考えてみましょう。

 

「社員満足には<良い満足>と<悪い満足>の二種類があるのを知っていますか?経営者は極力<良い社員満足度>を高める努力をするべきです。」

 

先日ある著名な経営者のお話を聴く機会があり、社員満足度に関してこうした話がありました。とても興味深い話でしたので、ここで紹介させて頂きます。

 

「良い社員満足とは、達成感や自己実現に基づくもの。周囲から『やったね!』と褒められて、本人も喜ぶ。そして、自分の成長も感じることができる。そんな前向きな社員満足のことです。一方、悪い社員満足とはなにか?簡単にいうと『まあこのままでいいや』という現状維持の精神からくる満足のこと。ぬるま湯意識、危機意識の欠如からくるものと言ってもいいでしょう。」

 

この話を聴いて、私は「ああ、会社の福利厚生や奨励でも似たような話があるな」と感じました。福利厚生にも「良い福利厚生」と「悪い福利厚生」がある、ということです。

 

では、良い福利厚生やインセンティブとはどのようなものでしょうか?上記の<良い社員満足>の話と同じように考えればいくつかキーワードが浮かぶと思います。すなわち、

 

社員が心から喜び

仲間や上司との一体感を感じることができ

会社に対しても感謝の気持ちを持つことができる

 

そんな福利厚生だと思います。社員旅行や年会などの表彰をうまく運営できている会社は、社員の前向きなエネルギーを引き出すことに成功しています。

 

一方、悪い福利厚生とはどのようなものでしょうか?一言で言うと<まあもらえるものはもらっておこう>という類の福利厚生だと思います。時代的な役割を終えている手当、月餅などの季節の儀礼、誕生日プレゼントの映画券などが該当するかもしれません。

 

特に豊かになった沿岸部のホワイトカラーは数百元相当の手当や現物給付では本音ではほとんど嬉しくないと感じているはずです。最近の我々の調査では、ブルーカラーでさえもケーキ券などの少額プレゼントに対して感謝の気持ちが薄れ始めていることが分かっています。

 

しかしながら、彼らは決して自分から「こんなの会社経費の無駄ですからいりませんよ。」とは言いません。誰だって「わざわざ『いらないです』というのも損だしね。」と考えるでしょう。中国では、人件費を以前ほど増加させられなくなってきている会社がほとんどです。最近では、コスト削減に取り組み始めている会社も多いと思います。「悪い社員満足」につながるような各種人事制度は見直しの時期に来ているのではないでしょうか。「悪い福利厚生」の見直しには総経理や人事部長の強い意志が必要です。今こそ経営者のリーダーシップが求められてきている時期だと思います。