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定年退職者の経済補償金

2015/10/20 執筆者 :

今回は、定年退職者の経済補償について取り上げます。

 

中国における定年は、労社部発[1999]8号で以下のように規定されています。

 

1 )法定の企業従業員の退職年齢:男性は満60歳、女性は満50歳(但し、女性の管理職は55)

※その他、有害環境で勤務している従業員、病院が証明した労働能力の喪失者で一定の年齢に達したものが挙げられます。

 

中国の労働法関係の法律・法規では、従業員が定年年齢に達した場合に「労働契約」を終了することになり、雇用者は定年退職者に経済補償を支払う必要がないと定めています。

 

例)広東省の『法定定年年齢に達したが基本養老保険待遇を享受できない従業員への経済補償問題についての回答』(1号文と略称)では、定年退職従業員に経済補償金を支払う必要はないとなっています。広東省高級人民法院・広東省労働紛争仲裁委員会 「労働紛争案件の審理についての座談会紀要」第2条に『労働者が基本養老保険の納付年数、料金納付不足などを理由として雇用者に養老保険待遇の損失額を請求する場合、労働争議処理としない。』という規定があります。

 

一方、従業員は、定年年齢になって「労働契約」を終了し、尚かつ養老保険待遇を享受できない場合、雇用単位に経済補償を求めるのが一般的です。

 

実務において定年者への経済補償を支払うかどうかの問題に対して労使双方の訴求の不一致で労使紛争がよく発生します。こういった場合、雇用者には以下の処理手段があります。

 

  1. 労働仲裁で解決する。
  2. 能力を持ち、まだ働ける従業員については、個別相談をして、経済補償金を支払わずに「労働契約」を終了することを前提として従業員と新たに『労務契約』を結ぶことで継続して働いてもらう。

 

『労務契約』とは、「中華人民共和国契約法」や「民事法」が適用される民事契約のことで、お互いが協議
の上で自由に契約内容を約定でき、経済補償金等も適応対象外となる契約です。