外国人の査証(ビザ)に関する重要規定
人事コンサルタント 宮城紀生(WAYA)の回答
今月のコラムは、外国人の査証(ビザ)と居留証に関して、昨年度から今年にかけての重要な新規定と変更事項について説明させて頂きます。
1、『外国人短期業務手続手順(試行)』
2014年11月に公布、2015年1月1日より施行規定の要約を説明します。これは、中国に滞在する外国人の90日以内の業務滞在の規定であり、日本人にとって今まで不明確だったビザの必要性も示されています。
中国の業務関係協力先に対して、技術、科学研究、管理、指導等の業務目的で90日以内の期間で業務を行う従業員の入国は、以下のビザが必要になりました。
①業務期間が30日以内の短期業務→就業ビザ
②業務期間が30日以上90日以内の短期業務→就業ビザと居留証
※滞在日数が15日以内限定、且つ視察目的の出張はノービザで問題ない(ただし今後の新規定に注意)。
次の業務は90日以内でも短期業務とはみなさず、Mビザ(商用)等の取得が必要です。
③購入した機器設備に関連する中国でのメンテナンス、据付、指導及び研修。
④中国で落札したプロジェクトに対して行う指導、監督、検査。
⑤中国の分公司、代表処へ派遣されて短期業務を完了させる場合等。
当局の取締まりは年々強化される傾向にあり、不法就労及び不法滞在とみなされ、罰せられる可能性もあるので注意が必要です。滞在日数15日以内(視察目的)の出張はノービザで問題ないのですが、当局に業務とみなされれば違反になった実例もあります。今後の実務的な対応についての情報を得る必要があります。
2、『深セン市の65歳以上の外国人就業新規申請不可』
2014年10月より上海の就業ビザ取得に関して、満65歳以上の方の新規申請が不可になりました。それをうけて、深センにおいても2015年1月4日より同様の規定が実行されています。総経理はおろか、出資者オーナーや法人代表、董事長(代表取締役)でも不可能になりました。就業ビザが無いということは、滞在に必要な居留許可も申請できないのです。
対象の方々へのアドバイスは、日本国内でMビザ(商用)を取得されて訪問(出張滞在)で入国して下さい。
※今まで通り、技術資格取得の方は別途手続きにて就業証を得ての滞在は可能です。
3、『深セン市の70歳以上の外国人就業及び居留新規・更新申請不可』
深セン市においては昨年2014年3月より、満70歳以上の方は就業証及び居留許可の申請(新規・更新)は不可能になっています。総経理をはじめ、出資者オーナーや法人代表、董事長(代表取締役)も対象になっていますので、ご注意が必要になります。 対象の方々へのアドバイスは、日本国内でMビザ(商用)を取得されて訪問(出張滞在)で入国して下さい。
いつもながらですが、新規定の公布もなしに突然施行されるやっかいなカントリーリスクです。
深セン市以外にお住まいの方々も各地方政府の状況をご確認されてご対応下さい。