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教えても、教えても、行動が変わらない理由
〜人の変化を阻む、心理的な“4つの壁”〜

2014/12/30 執筆者 :

「ビジネスマナーの研修を毎年しているが、社員のマナーが良くならない。研修直後は試す社員もいるが、1ヶ月もするとみんな元に戻ってしまう。」 マナー研修に限らず、このような研修効果を疑う声をよくお聞きする。

 

人間の行動習慣を変えるというのはとても難しく、正しい方法を教えるだけでは、効果は出ない。人間は、心理的な4つの「壁」で「思い込みの能力限界」を作っているからだ。

 

4つの壁の1つめは、「知覚の壁」。自分の行動や思考を客観的に見られないため、問題を認識できず、「できている」と思い込む。この壁を取り除くには、他人と接したときの自分の行動や感情を書き出したり、ビデオに撮って見ることで、問題点を客観的に認識させる必要がある。

 

2つめは「成功体験の壁」。過去の成功体験や、権威者の体験談に引きずられ、条件や環境が違っても、それが正しいやり方だと思い込んで他の方法を受け付けない。これには、自分の長所を周りの人に書いてもらい、そのような自分になったきっかけとなる出来事を思い出す。その上で、「もっと良い自分」について考えさせる。人間は、“今の自分は、過去の行動の結果である”という因果関係が明確になると、「他の選択肢」を受け入れ易くなるからだ。

 

3つめは「組織風土の壁」。周りの目や軋轢を恐れて変わるのを止めてしまう。これが起きないように、周囲とともに成長できることを意識づける。参加者同士で、お互いの変化を承認し合う仕掛けを取り入れる必要がある。

 

4つめは「効率性の壁」。新しい行動に慣れるまでの間は、失敗や面倒が起きるため、非効率に耐えられず元に戻る。経験上、中国では「競争」と「遊び」の要素で続けさせることができる。例えば、研修後2ヶ月をマナー強化月間とし、マナーの良い行動をした人には同僚がカードを渡す。このカードの数を集計して表彰するといった取り組みが効果的だ。