「異文化」では説明がつかない日本と中国の価値観ギャップ
~ 実は、日中の文化は類似している ~
1970年代、ホフステッドは 全世界のIBMの社員を対象に
国ごとの文化的価値観の違いを調査した。
結果、①権力格差の大小、②集団主義VS個人主義、
③女らしさVS男らしさ、④不確実性の回避、⑤長期志向VS短期志向
という5つの次元で各国の文化の違いがあることが分かった。
しかし、この中で日本と中国が大きく違っているものはただ1つ。
④不確実性の回避だけ。
欧米諸国と日本の差異が広範囲に及ぶのと比べると、
日中の文化はむしろ、かなり類似している。
他の調査においても、
差異は比較的小さいという結果を示すものが多く、
実は、日中間の価値観の際は、「異文化」だけでは
説明が付かない。
2005年、イングルハートの調査で、
大衆の価値観は産業構造によって変化することが分かった。
社会が農業から工業段階に移っていくにつれて、
人々の価値観は「伝統的な価値観」から
「世俗−合理的な価値観」に変わっていく。
また、社会が工業からサービス業に移っていくにつれて、
「生存価値」から「自己表現価値」に価値観が変わっていく。
日本人と中国人の価値観に違いが生じる大きな理由、
それは両国の「文化」よりもむしろ、両国の「産業発展のフェーズ」の
違いによることが大きい。
なんでも「それは文化の違い」と片付けていると、
本質を見誤る。
文化だけでなく、産業構造からも違いを捉えなければ、
中国でのマネジメントは上手くいかない。
インヴィニオチャイナ 総経理・CEO
大城昭仁
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