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中国の人事制度・労務管理

2017年の中国経済を振り返って

2018年の春節も過ぎ、中国的には新しい1年がスタートしました。新聞報道によれば、この春節期間中に海外へ旅行目的に訪れる国民は650万人。日本でもっとも国外へ旅行目的で出国する人数の多いゴールデンウイーク期間中でも約60万人ですから、そのおよそ10倍。ここでも日中の人口比例がみられるわけですが、中国でもそれだけ所得中間層が増えたことを如実に表しているようです。650万人の旅行客の渡航先としては、トップのタイに次いで日本は第2位の人気観光地のようです。

このように、財・サービスの多様化と個人消費が中国の経済成長に寄与する比率が上昇することにより、2017年の国内総生産(GDP)は大きく押し上げられ、前年比+0.4ポイントの+6.9%、7年ぶりに上昇しました。民間消費は10%を超える成長率となっております。民間の固定資産も7.2%増、輸出も世界経済の好調を反映し7.9%増と、この2つの構成要素の伸び率が大きく、特に米国向けの輸出が2017年は大きく伸びております。景気の側面だけみれば、中国に不安要素はほとんどみられず、極めて好調と読むことができます。

このように政府の当初目標であった6.5%を大きく上回る結果となったわけではありますが、中国政府や人民銀行がもろ手を挙げて歓喜しているわけではありません。景気の失速リスクが後退したなりに、サービス業への転換、それに伴う国有企業の整理など、産業の構造改革としての課題は引き続き水面上へと浮上してくることになります。またここ数年、金融政策のアキレス腱となっているシャドーバンキングの資金調達方法である理財商品の残高は前年比の20%を超え、不良債権化のリスクはますます高まってきています。住宅市場も上昇した都市数の増加、平均価格の上昇など、加熱気味である状況は変わらず、2018年、人民銀行は政策金利を大きく引き締めていくことが予想されるのと、貿易についても中国は大きな対米黒字の積み増しがあることに対して、トランプ政権は対中貿易のコントロールとアナウンスメントを行ってくるでしょうから、2018年の中国経済は、予想以上の回復をみせた昨年からは、本来の大きさに収斂されていくものと思われます。

とはいえ昨年10月にその顔触れが刷新された党常務委員をみても、経済、外交通を揃えた習近平総書記の2期目は、巧妙な経済政策が期待されるところではあります。また、そろそろ退任が囁かれている人民銀行周小川行長も引き続き絶妙なタイミングでの金利操作の手腕を発揮するでしょうから、中国経済は当面、安心してみていられる状況が続くものと思われます。

コラムニスト情報

(株)名南経営コンサルティング 清原 学 海外人事労務チーム シニアコンサルタント

1961年兵庫県生まれ。学習院大学経済学科卒。中国の人事労務事情、中国労働関連法の第一人者。共同通信社、AT&Tにて勤務後、上海・大連・無錫・ホーチミン…  続きはこちら...

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