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昇給・賞与・福利厚生

2018 給与情報・福利厚生分析レポート_Vol.1
人事トレンド① 2018年度調査より 賞与トレンド・実績と予測

前回は昇給率の2017年実績と来年の予測をはじめ、客観的な評価制度の重要性について取り上げた。今回は、賞与のトレンド及び来年に向けて日系企業が抱える人事トピックスを紹介したい。

 

業績好調な日系企業

パソナは、中国に進出している日系企業の現地従業員の給与賞与・福利厚生に関する動向をまとめた「在中国日系企業における現地社員の給与・福利厚生に関する調査」の結果を毎年まとめている。

 

調査概要

調査対象 在中国日系企業
調査方法 オンライン
調査期間 2017年7月11日~9月30日
有効回答数 1027社

 

各企業の2017年度賞与の平均支給月数は、2.15ヶ月分となった。これは前年度と比べて0. 20ポイント増加である。2018年度予測は、2.17ヶ月分という結果となった。この背景の一つとして、在中国日系企業の好調な業績があげられる。もう一つは、中国の経済成長に伴い給与額自体が上昇しており、企業にとって人件費負担は増加の一途である。ベース給の大幅な増加は実施しにくいなか、業績と連動した賞与を通じて社員に還元していることが見受けられる。

 

▼賞与

昇給率

業種別の賞与数値については、業種によりサンプル数に差はあるものの、全体の傾向として、中国に多く進出している繊維、機械、化学などの製造業メーカーの業績が比較的堅調だったため、これらの業種は上位にあがっている。また、不動産やサービス業が比較的高い数値となった理由には、営業職の割合が多く、また営業職の基本給に占める賞与の割合が比較的高い業種であるためだ。

 

▼業種別賞与

業種別昇給率

多くの日系企業は、給与・賞与制度が現在の市場にあっているのか、妥当な評価のもと運営されているかを改めて見直している。中国へ進出以来10年近く制度改訂をしていない企業も少なくない中、全員の給与を一律に上げるような、日本の終身雇用を前提とした中国市場にそぐわない人事制度では、特に優秀人材の流出が起きているという話をよく耳にする。そのような企業では、制度改定に本腰をいれているところも出てきている。また、日本本社の理解が随分進んできたと感じるが、まだやはり中国の賃金は日本より安いというイメージは根強い。特に技術系や管理職以上の給与体系については、中国が日本の相場に近づき或いは上回っているケースもあるため、注意が必要である。中国企業のなかでも賞与は注目度が高く、例えば業績が好調な大手IT企業では支給月数12ヶ月分を支給しているというニュースが話題になった。優秀な人材に自社に残ってもらうためには、このような中国企業の動きも把握しておきたい。

 

賞与とモチベーション

上述した大手IT中国企業に勤める社員は実績や労働時間数共に求められるものは高い。しかし、社員は貢献した分だけ、会社が成長し、しっかりと自分にも賞与や給与として還元されるためモチベーションは非常に高い。一方で日系企業では、社員の退職や日本人駐在員の帰国に伴い全体の社員数が減っているものの、人員補強が実施されないケースを最近目にする。社員からしてみれば、社員数は減り、一人あたりの業務量は増加しているにも関わらず、給与や賞与に還元されていないとの不満不平に繋がる。

このような不満が社員に広がると、特に1990年以降に生まれた「90後」と呼ばれる若者は入社してもわずかな期間でより良い条件の会社へ転職する傾向がある。日系企業が特別高いわけではないが、中国では離職率が10%前後のため、やはり企業としてはリテンションをいかに高めるかは工夫が求められる。特に若い世代は、多くの情報が頻繁に飛び交う環境で育っているため、同じ会社の社員や他社の処遇に関する情報は安易に手に入る。より好条件の会社に2-3年ごとに転職はいとわず、会社へのロイヤリティは日本と比較して決して高くはない。中国の若年層は将来起業を希望する人も多く、より短期的に自身のキャリアプランを考えているといえる。

 

2018年トレンド予測

一時期、製造業メーカーが中国からASEAN諸国へ事業を移すという動きがあったが、今年はそのトレンドも一段落したように見受けられる。逆に改めて中国でのビジネス、特に内需向け市場を見直そうという動きが目立ち、これは今年も続くと考えられる。中国内の経済成長が堅調であることが魅力の一つである。加えて、日中の国交関係も安定化に向かっていることから、政治・制度面でも以前よりビジネスが円滑に遂行できる期待感がある。

2018年は、中国事業をマネジメントできる人材をいかに確保あるいは育てるかが日系企業の最大の課題となるのではないだろうか。中国法人のみでは成し遂げられないことも出てくるため、日本本社の協力を得ながら、また本社からは国境を越えて中国法人の人事戦略に取り組む必要がある。また現地採用社員の海外研修においても、これまでは1-2週間といった短期間で、また若手社員を中心に実施している企業が多かったが、今後はより管理者クラスに焦点をあてた研修が求められる。課長や部長クラスの人材を日本本社に送り、実際に日本で部署管理等のマネジメント経験を積ませるような、グローバルな観点で社内人材流動の活性化を図るニーズが高まるだろう。

 

(以上)

 


 

毎年パソナが実施する給与情報・福利厚生分析レポートは、下記よりご参照くださいませ。

給与情報・福利厚生分析レポート

 

 

コラムニスト情報

パソナ中国 深圳支店 大塚 涼右  支店長

パソナ中国華南地区営業マネージャー。2010年に米国ニューヨーク州立大学プラッツバーグ校を卒業後、パソナ米国法人・Pasona NA入社。ニューヨーク本社に営業と…  続きはこちら...

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