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昇給・賞与・福利厚生

2017 給与情報・福利厚生分析レポート_Vol.11
人事トレンド⑩2017年度調査より 人件費予算の作成

前回は現地化に伴いニーズが高まる日本語人材の採用について取り上げた。今年も残すところ1ヵ月半。今回は、来年度に向けて予算組みの準備をする時期のため、関心が高まる昇給率を紹介したい。

 

昇給率に反し、高騰する人件費

中国共産党第19回大会が閉幕し、習近平総書記(国家主席)は1期目の5年間で国内総生産(GDP)が54兆元から80兆元近くに拡大したと発表した。足元をみると、中国国家統計局が先月発表した2017年7~9月期のGDP成長率は、前年同期比6.8%増となり、前期の6.9%増から0.1ポイント減速した。

毎年の昇給トレンドは、中国のGDPに概ね沿った結果となる。2012年より昇給率は下降傾向であり、昨年は6.79%、今年の予測値は6.34%であった。しかし、今年は前述した党大会での習氏による後押しもあり、予想に反して昨年比より微増の6.86%に着地する見通しである。

▼昇給率

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過去数年の昇給率の減少傾向は、給与額全体が上昇していることが背景にある。よって、企業にとっては、人件費負担は増加の一途である。人事部としては、社員の給与をはじめ、福利厚生やその他全ての費用を総合的に見直し、来年度の計画を立てる必要に迫られている。

比較的安かった日系企業の給与だが、最近ではそうでもない。高まる人件費を補うためには、当然会社の利益が生まれなければ人事戦略の遂行は困難となる。経済成長を遂げる中国の国内消費を視野にいれた事業展開を行っている日系企業は業績が伸びている。

 

▼地域別昇給率

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▼事業規模別昇給率

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2017年の地域別昇給率は、予測に反し、華南地区が最も高くなりそうだ。この背景には、華東と華北地方は元々給与が高いことがあげられる。華南地区は、IT関連を中心に中国系の新興企業が活況を呈する。地域の経済成長に伴い、深センを中心に物価や家賃が高騰している。

 

客観的な評価制度を

このような中国の労働市場のトレンドを来年度の人事予算をたてる上で参考にすると、より効果的な採用活動や中長期的な人事制度設計が可能となる。また、昇給率が高まる環境下で総人件費をコントールするためには、評価制度が非常に重要である。客観的な評価制度を構築、また運営できている企業は意外と少ない。日本から持ってきた指標だけでは、中国では浸透しない。会社が社員に期待すること、職務内容や権限を明確にし、それにあった指標を可視化することが求められる。また、業務を追加する場合や役職がついた際には、これに見合った昇給や役職手当が当然必要である。日本では役職がついたが、給与を時間単価にすると返って下がった、というケースも耳にするが、中国ではこれは通用しない。

中国法人の人事権を日本人駐在員のみが持っている場合や現地化が進み、ローカル社員に権限が移行されているケースもある。いずれの場合も、評価する側の社員の研修やケアも重要である。部下の目標管理から日頃のコミュニケーションまで、マネジメントする立場の社員がいかに部下とオープンな関係を築き、不公平感のない評価を行うかで社員一人ひとり、そして部署、ひいては会社の成長を左右するといっても過言ではない。来年度の予算作りにおいて、昇給率などの市場トレンドや自社の給与体系と併せて、評価制度の見直しも薦めたい。

 

(以上)

 


 

毎年パソナが実施する給与情報・福利厚生分析レポートは、下記よりご参照くださいませ。

給与情報・福利厚生分析レポート

 

 

コラムニスト情報

パソナ中国 深圳支店 大塚 涼右  支店長

パソナ中国華南地区営業マネージャー。2010年に米国ニューヨーク州立大学プラッツバーグ校を卒業後、パソナ米国法人・Pasona NA入社。ニューヨーク本社に営業と…  続きはこちら...

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