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2017 給与情報・福利厚生分析レポート_Vol.10
人事トレンド⑨2017年度調査より 現地化と日本語人材の採用

前回は社員のモチベーションアップを図る効果的な施策の一つとして多様な福利厚生制度について取り上げた。今回は、中国に進出する日系企業がいつかは必ず直面する現地化に伴う日本語人材の採用に関する課題とソリューションを紹介したい。

 

現地化には不可欠な日本語人材

中国では、日系企業の新規進出ラッシュは一巡し、組織の現地化を目指す企業が増えている。背景としては、日本人駐在員のコスト上昇や日本本社が中国に派遣できる駐在員が少ないこと、また中国市場を狙った現地の商品開発の需要の高まりがあげられる。各社は現地マネジメントにスムーズに移行できるよう、試行錯誤している。

 

しかし、この現地化の障壁となっているのが日本語スキルをもった「日本語人材の不足」である。ローカルマネジメントを実現するということは、日本本社とローカル社員が直接コミュニケーションを取る必要性が生まれる。多くの場合、日本本社は中国語対応が困難なため、中国側に日本語ができるローカル社員を配置することが必須となる。

 

従業員は増加傾向、駐在員は減少の見込み

昨年度の調査によると、ローカル社員は増加傾向である一方で、駐在員数は減少、あるいは減らす予定と回答している企業が多い。駐在員を減らすことに伴い、ローカル社員のマネジメント層の採用ニーズが高まっている。このような人材を企業はどう採用しているのだろうか。

 

▼今後1年間の従業員数の増減

従業員増減予測

 

▼今後1年間の日本人駐在員数の増減予測

駐在員増減予測

 

▼地域別・日本人駐在員数の増減予測

 
増える 減る 変わらない 分からない
華北エリア(北京) 6.5% 7.8% 71.9% 13.8%
華東エリア(上海) 9.1% 12.5% 63.4% 15.0%
華南エリア(深セン・広州) 5.1% 14.4% 66.0% 14.5%

 

3つの施策

日本語学習者の減少により、日本語人材の採用競争は一層激化している。これまで中国は「最も近い先進国」である日本への留学生が多く、大学や語学学校で日本語を学ぶ人が多かった。しかし近年では留学先は多様化し、特に米国アイビーリーグに代表される欧米トップ校へ留学することが海外人材「海归(ハイグイ)」の目標になっている。中国企業が精力的に海外進出を進める中で、英語が必要とされるビジネスシーンが増えている。街には「英語を学ぼう」という社会人向け語学学校のポスターをよく見かけるようになった。このような状況の中で、優秀な日本語人材の採用はより難しくなっている。

 

そこで、一つの人事施策は給与や福利厚生制度の充実である。前号で述べた通り、優秀なローカル社員のリテンションには目に見える、公平な評価とそれが給与制度と連動し、正しく運営されていることが大切である。そして、健康保険や有給休暇などはもちろんのこと、社員旅行や懇親会など、多様な福利厚生制度を整えることを薦める。

 

二つ目の施策は、新卒や若手人材の採用である。従来は、即戦力となる人材、つまり中途採用を中心に行ってきた企業が多い。しかし、日本語人材の競争が激化しており、加えて優秀な人材の給与上昇が著しい今、新卒や若手人材を採用し、自社で育てていく企業が増加している。中長期的な人事戦略としては、社員構成の側面からも賢明である。パソナは中国への帰国就職を希望する日本在住の中国出身の大学生や社会人を対象に、中国に進出している日系企業への就職イベント『JOB博CHINA』を東京で開催している。在中国の日系企業の採用担当者が日本に出向いて採用活動を行っている。昨年11月には約1000名が参加し、20社以上の企業が出展した。ある企業は中国で複数の店舗開設を控えており、1日の説明会で20名以上に内定を出した。来月開催するイベントには既に20社の出展が確定している。このように中国内に留まらず、また即戦力にこだわらず、優秀な若手人材の採用を活用してみてはいかがだろうか。

 

最後に、三つ目の施策は日本語に頼らないマネジメントへの移行である。海外法人が社内の公用語を英語化している企業を最近見受ける。特に海外法人間でのやりとりが頻繁な商社や物流系企業では、中国でも英語化を実践している。中国では英語人材は日本語人材よりも多い。日本本社の英語化推進と同時に中国も社内の英語化を図ることで、日本語に頼るマネジメントから開放される。ただしこの場合、英語人材の採用においては他の外資系企業や中国系企業との競争になるため、給与や処遇等でグローバルカンパニー同等の柔軟な対応や処遇の整備が要求される。

 

(以上)

 


 

毎年パソナが実施する給与情報・福利厚生分析レポートは、下記よりご参照くださいませ。

給与情報・福利厚生分析レポート

 

コラムニスト情報

パソナ中国 深圳支店 大塚 涼右  支店長

パソナ中国華南地区営業マネージャー。2010年に米国ニューヨーク州立大学プラッツバーグ校を卒業後、パソナ米国法人・Pasona NA入社。ニューヨーク本社に営業と…  続きはこちら...

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