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外国人就労許可制度の改定

2016/12/09 執筆者 :

2017年4月より、中国で就労する外国人に対する就労許可の制度が変わります。

その背景としまして、以下の3点が挙げられます。

■外国人の在華就労について、明確な基準を設ける

■急増する外国人に対し、厳格な管理を行う

■ハイレベル人材の就業を促し、ローレベル人材の就業を制限する

昨今、中国に入国する外国人の数は急増しており、中には不法就労を目的とした入国事例も報告されています。中国政府としましては外国人に関する管理を強化していくことで、このような法外な就労を防止しようとする姿勢も見受けられます。加えて今年、「外国人来中就労許可制度の試験運用実施案を印刷公布することについての通知」(外専発[2016]151号)を公布し、外国人の就労許可に関する明確な基準、制度を表しました。

■分類管理

・3種類のそれぞれの外国人についての就労制限を設ける

・点数での評価を行い、分類の基準を設ける

・外国人の就労を、A類、B類、C類の3種類に区分する

■二証統合(「外国人就労証書」と「外国専門家証書」の統合)

・外国人1名につき、終身的な「就労番号」を付与する

・外国人に対し、「外国人就労許可証書」を与える

・雇用組織に対し、「外国人就労通知書」の許可を与える

■申請書類・申請手続の基準化

・申請手続、申請資料、許認可所要期間の明確化

・申請資料サンプルの提示による利便化

・「外国人来中就労許可サービス指針」の制定

■インターネット申請

・オンライン申請による利便性

・外国人来中就労管理サービスシステムの導入(全国レベル)

■ハイレベル人材についての「承諾制度」

・中国の「関連人材計画」に選ばれた外国人の職歴、専門技術、学歴証明についても承諾すれば済む

ハイレベル人材(A類)の外国人については、「無犯罪記録証明書」の提出が必要なく無犯罪であることを承諾すれば済む

分類管理、すなわち外国人はすべてA類、B類、C類のいずれかに分類されるのですが、その基準をみてみますと多くの日本人駐在員はこのうちのB類に区分されるものと思われます。B類の認定条件は、

(1)学士以上でかつ2年以上の実務経験のある外国専門人材

(2)国外の100強大学で修士以上の学位を得た外国人

(3)国外の100強大学で修士以上の学位を得た外国人

(4)年収が所在地の平均給与の3倍以上に達している外国人

(5)外国語の教員

(6)点数評価結果が60点以上である専門人材

というものですが、(1)の学士につきましては、日本の4年制大学を卒業すれば自ずと〇〇学士という学位がもらえるものの、ここでいう学士は中国の学位基準であると思われ、そうなれば学士とは言え、かなりハードルの高い基準になってしまうと予想されます。(1)~(5)に該当しない場合は、(6)の点数評価によって60点以上の得点をあげる必要があります。点数表はここでは割愛しますが、項目としては「年間給与額」「学歴」「実務経験」「年間勤務月数」「中国語レベル」「就労地区」「年齢」「世界著名大学卒業または世界500強企業就職経験」などのそれぞれレベルで点数が与えられており、B類に認定されるためにはその合計が60点を上回る必要があります。実際に点数をつけてみますと、そのハードルは低いものではないことがわかります。惜しくも60点に満たない場合には、管轄行政が持っている「外国人就労の省級管理部門が定める追加点数」というのが0点~10点まであって、状況に応じて加算していくものと思われます。

このように就労許可制度が変わるわけですが、20174月からの本稼働の前に北京市・天津市・河北省・上海市・安徽省・山東省・広東省・四川省・雲南省・寧夏回族自治区では201611月から試験稼働が始まっております。現在の就労許可期限内は書き換える必要はないものの、これからこの地域に赴任される日本人については新しい制度での申請が必要となりますのでご注意下さい。

(了)