離職後の妊娠判明と労働関係の回復要求
今回の話題は妊娠していた女性従業員が自己都合で退職したケースです。雇用法人様は、実際の企業経営において女性従業員が自己都合で退職した後に妊娠していたことが判明するようなことがあるかと思います。このような場合に女性従業員が労働関係の回復を要求した場合、雇用法人様はどのように対処すればいいと思われますか?
ご存知のとおり中国の労働法及びその関連規定においていわゆる“三期”の女性従業員の労働契約解除は、保護を目的とした制限が設けられております。雇用法人様は、医療期間満期及びリストラ等の理由で“三期”の女性従業員の労働契約を解除、或いは終了することができません。しかしながら、自己都合で離職した後の女性従業員に対して雇用法人が労働関係を回復しなければならないとする条項は、労働法及びその関連規定において特に明記されておりません。
よって、正銘は妊娠した女性従業員が労働関係の解除を申し出て、雇用法人様によって同意を得た後であるならば、妊娠していたことを理由にして雇用法人に対して労働関係の回復を要求したとしても雇用法人は、その要求を拒否できると考えております。
理由は下記の通りです。
1、離職は、事実として従業員自身の意志である。
2、企業は従業員の職業選択の自由に干渉できず、法律法規において“三期”女性従業員の辞職権に関して一切制限をしていない。
3、女性従業員の妊娠は、労働関係の解除が成立した後に提起されたことであり、女性従業員が妊娠を理由に労働関係の回復を要求することは、『労働契約法』第48条にて規定されている雇用法人が従業員と労働関係を回復する状況に一致していない。
*“三期”とは、「妊娠期」、「出産期」及び「授乳期」の総称です。
(完)