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お金以外で社員を囲い込むには?
お金以外の魅力づくりを

2015/08/14 執筆者 :

今回は、私が尊敬しているある中国人経営者の話を紹介したいと思います。

 

そのローカル会社は、優秀社員を長く定着させることに成功しています。社内ではどのような工夫をしているのか?私は大変興味がありましたので、総経理に疑問を投げかけてみました。

 

結論は「お金以外で囲い込む方法をどれだけ考えつくすか」ということでした。

 

結局、給与や賞与といったお金だけに着目しすぎると、会社と社員との関係は「お金だけでつながる関係」になり、高い給与のオファーがあればすぐに他の会社に転職してしまう。もちろんお金は大事だし、社員に聞けば「給与が一番大事ですよ」と答えるに決まっている。でも経営者としては、「お金以外の魅力付けをどれだけ工夫できるかが重要だ」とのことでした。

 

それでは、具体的にはどのような工夫をしているのか?印象に残ったエピソードをいくつか紹介したいと思います。

 

まずは、そもそも採用段階で厳選しているとのこと。給与はそれほど高くないけれども、「それでも私たちと一緒に働きたいと思うか」「会社の理念に共感ができるか」を譲れない価値観として採用しているとのことでした。

 

また、厳しくもある「父性的な」マネジメントスタイルもこのラオバンの特徴です。約束が果たせないときは厳しく叱る。ただし、仕事の進め方、やり方に関しては懇切丁寧に教育をしていく。そして、目標が達成できたときは豪華な食事会に行ったり社員旅行に連れて行ったりする。

 

ちなみにこのインセンティブツアーの企画は当社がアレンジさせて頂いたのですが、今年は優秀社員十数名を日本の関西に連れて行く企画を立てました。しかも、この総経理からは「日本人でも驚くような内容にしてくれ」との依頼。宿泊先は「吉野山の宿坊」「エクシブ鳥羽」「京都の高級旅館」をおさえ、日程には「神戸でのクルージング」「清水寺での特別拝観」「ヨドバシカメラ梅田での買物ツアー」など充実した内容を組みました。一人1万元ぐらいかかる豪華な旅行となりましたが、帰国後、参加した中国人社員が「絶対また行きたい」と目を輝かせていたのがとても印象的でした。

 

そして、この会社の給与水準も聞きましたが、決して高いものではありませんでした。むしろ沿岸部の外資系企業のホワイトカラーの水準と比較すると「低いほう」に分類されるレベルです。それにもかかわらず優秀社員の囲い込みに成功している様子を見ると、お金以外の要素の重要性に改めて気づかされた次第です。「会社ビジョンへの共感」「厳しくもあり、温かみもある教育」「メリハリのある表彰制度」。社員囲い込みにおける大切なキーワードではないでしょうか?日頃の会社運営の参考にしていただければ幸いです。