中国での転職・就職・求人情報サイト

上海・広州・深圳での転職ならパソナ中国へ



企業風土の変革や組織・人材の強化

管理職研修は「相互学習型」が効果アリ
「講師」が「教える」ものという固定観念が、研修の効果を妨げている。

2015/08/09 執筆者 : INVENIO CHINA 大城昭仁 総経理CEO

毎年、この時期になると管理職の研修についてご相談が増える。その多くが、「マネジメントのイロハ」を学ぶ研修をやっているが、どうも定着しない。もっと実のあるものにするにはどうしたら良いかというご相談だ。そこで、今回は、マネジメント研修の1つの成功例をご紹介したい。

 

A社(機械メーカー現地法人)では、講師から「マネジメントのイロハ」を学ぶよりも、むしろ管理職同士でマネジメントに関する考え方やリーダーシップについて「相互学習する」というコンセプトで研修を設計した。

 

偉いセンセイが言う「セオリー」よりも、自分と同じ立場の人間との対話から生まれる「気づき」の方が、自己変革の動機付けに繋がり、実行性が高まるのではないかと考えた。

 

ただし、このような研修は、参加者がきちんと自己開示し、活発なコミュニケーションが起こらなければ成り立たない。参加者は全中国から集まるため、初対面の者も多い。それが促進されるよう、「演出」や「仕掛け」にアイディアを絞り、2日間の研修を設計した。

 

まず、研修の開始を集まった日の夕方からとし、懇親会を開いたが、その前に「リーダーシップセッション」という時間を設けた。アップルのスティーブ・ジョブズ氏が自身の半生を語るビデオを上映し、彼を真似て、自分の人生において重要だった出来事とそれによって自分がどのような価値観を持つに至ったか、各自の「ストーリー」を発表してもらった。場所も教室ではなく、懇親会会場の一部に設定し、アルコールも提供し、ファシリテーターもジョークを言って盛り上げ、雰囲気をほぐすことに専念した。

 

最初は緊張と照れを見せていた参加者も、著名な経営者が自身を熱く語るさまを目の当たりにして、「自分もやってみよう。」と、生い立ちから、苦労話、失敗談も含めて自分自身を語ってくれた。懇親会に入る頃には、お互いに興味を持ち、発表内容を“酒の肴”に活発なコミュニケーションが行われ、通常の懇親会を越えた一体感が醸成された。

 

翌日からは、用意した教材を使って「管理者として、こういう場面ではどう振る舞えばいいか?」「優先順位の高い問題は何か?」といった議論を行ったり、各自が抱えているマネジメントの問題について、チームで解決策を考えたりといったことを行ったが、非常に活発で突っ込んだ議論が行われた。

 

終了後には、知識不足や目線の低さを認識し、自身の課題を明確化できたという声が多く寄せられた一方で、細かい演出や工夫に対して、「自分たちは本当に期待されているのだ」ということが伝わったのだろう、参加者の上司からも、「モチベーションが非常に高まって研修から帰って来た」と感謝のコメントが数多く寄せられた。

 

経営者から見ると、マネジメント力の不足を感じるマネージャーも、実は業務の中でいろいろな悩みを抱えながら仕事をしている。それを出せる「場」と「空気」を用意することさえできれば、中国の人はもともと勉強熱心で話し好き、どんどんと自分たちで学びを加速してくれる。

 

研修とは、「講師」が「教える」ものという固定観念が、研修の効果を妨げている。

コラムニスト情報

INVENIO CHINA 大城昭仁 総経理CEO

野村證券、独立系投資会社を経て、2004年に株式会社インヴィニオ入 社。総合商社、製薬、化学など100社を超える上場企業において、新規事業開発、次世代経営…  続きはこちら...

おすすめコラム

おすすめ専門家

パソナが提供する
3つのソリューション

  • リクルーティングサービス
  • アウトソーシングサービス
  • コンサルティングサービス