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中国民営企業に見る 人を動かす成功哲学
海底捞火锅 ②人事制度編

2015/07/06 執筆者 :

今回は、前回の①企業文化編に引き続き、人事制度についてPickupします。

従業員を大切にし、公正公平な組織を作るためのポイントが、人事制度にも良く表れています。

 

 

2.人事制度編 「人性化管理 ――社員の前に人である!」

 

■人事制度

①報酬構成

一般社員:基本工+加班位工级别+工+浮/分

 

この「分紅」が、海底捞の報酬制度の特徴の一つでしょう。

ボーナスとは別物で、店舗の純利益の3~5%程度を従業員に還元する仕組みになっています。

ボーナスはすでに「もらって当たり前」という認識になっている中、「分紅」は新しい待遇の

イメージがあり、モチベーションUPの効果を高めているようです。

 

②遅刻罰則制度

・1分~5分の遅刻:0.5元、5分~30分の遅刻:10元、30分~120分の遅刻:給与半日分、

120分以上の遅刻:給与丸一日分を罰として控除する。

・1ヶ月に3回以上遅刻したものは、基本給及びボーナスを減額する、など

 

これだけ従業員の主体性が育っているように見えても、

やはり遅刻に対しての罰則は厳格に設けられているようですね。

これもまた公平を実現するための細かい規定です。

 

③昇格・降格制度

新员工——合格员工——优秀员工——实习领班——优秀领班——实习大堂经理——优秀大堂经理——实习店经理——优秀店经理

(——实习大区理——片区理——总经理——董事

各グレードに、明確な基準と給与条件が設定され、試験もあります。

また、グレードが上がっても、問題がある場合、口頭注意から段階を経て降格するように定められています。

 

④ジョブローテーション

・昇格して最短1年程度で次の昇格試験にチャレンジすることができる。

・自分の希望とは別に、違う職種/等級に配属されることがある。(それは「昇格」とは限らない!)

 

これも海底捞の人事制度の特徴的な部分です。

たとえば、6年間の内に40回近く仕事を変わることもありますし、

なんと店長から物流拠点の荷卸し担当になることもあります。

実質的に低いポジションに移されることもありますが、

これは評価による降格ではなく、正常な人事異動の一環です。

したがって海底捞の幹部は非常に多くの職種を経験していることがほとんどです。

 

 

このように、公平公正で明確、そしてオープンな人事制度によって、

海底捞の離職率は業界内で極めて低い10%台をキープしています。(通常は平均30%以上と言われています)

 

他にも福利厚生として、

他社と比べ物にならないくらい環境の整った宿舎を提供していたり、

集中トレーニングセンターを設けて社員研修を行ったり、

四川に従業員の子供が通える自前の学校まで設立して話題になりました。

 

また、優秀社員の故郷に、社長自らが訪問して従業員の両親に感謝を伝えるなど、

中国人の方が特に大切にしている、家族・面子・平等をしっかりと重視した社風制度と言えるでしょう。

そしてそれは、従業員を何よりも大切にする企業の姿勢が形となっているものなのです。