社内規定の重要性
人事コンサルタント 宮城紀生(WAYA)の回答
今回は社内規定に関して述べます。
皆さんの会社には必ず社内規定は存在するはずです。社内規定はその会社の法律です。
その社内規定に関して、とても重要な点をお話しします。
1.社内規定集は中国語が必要です。すべての従業員は日本語(または英語)を理解しているため、中国語は不要だという日系企業は、仮に労使争議が調停機関や法廷に持ち込まれた場合、企業側はそれだけで不利になってしまいます。中国で運営する会社であり、一人でも中国人を雇用するので、当然中国語の規定集がオリジナルになるのです。
2.従業員が規定集を読んで理解した後は、必ず署名をもらってください。労働契約書と同様に署名の際は必ず上司や管理職が立会いの下、その場で本人が署名する事が重要になります。
3.新しく会社を設立する場合の社内規定は、当然会社側だけで作成するのですが、すでに存在する会社の規定の追加や見直し変更は、従業員との協議(同意)を経て決めなければなりません。会社側が勝手にできないので注意が必要です。
以上、述べた事は、その時点で問題(リスク)になるとは限りません。労使のトラブルが発生した時に大きな問題となるのです。たとえ、争議の焦点が会社側に有利な情況であっても、社内規定に不備があると判明した場合、会社が不利になったり、その理由によって敗訴する実例が多く存在します。
4.新たに公布された規定や法律は、従業員との協議(同意)を経た後、規定集へ追記等で作成します。
5.社内規定に記載されない規定や法律関係は、地方政府及び中国国家の公布された規定や法律に則る事になります。
国家及び地方政府の関連規定や法律に則した社内規定でなければダメです。管轄の地方政府の規定が優先されますのでご注意ください。
地方政府によっては国家や省の規定等と異なる部分があります。たとえば上海本社の社内規定をそのまま他の地域の分公司で利用できない規定もあります。該当する地域の細則、規定や法律を熟知した法律家や専門家に委ねての作成または見直しをお勧めします。