中国の所得税について
人事コンサルタント 宮城紀生(WAYA)の回答
前月は現地子会社の財務会計管理の重要性について述べましたが、今月は皆さまにとって、より関心のある中国の所得税について述べます。 所得税には会社の利益にかかる企業所得税と、個人の給料等の収入に対しての個人所得税があります。
企業所得税申告は、四半期毎の申請(3ヶ月分)になります。中国の会計年度は1月開始なので、1-3月を4月15日までに納税申告する義務があります。4-6月分は7月、7-9月分は10月、10-12月分の年度最終は翌年1月の納税申告になります。 日本では年に一度の確定申告後に納税しますが、中国では3ヶ月毎に支払わなければなりません。
では次に個人所得税について説明致します。 中国の個人所得税は、日本と同じく累進課税方式(給与額が増えると税率も増えるシステム)です。 納税申告は毎月(翌月の基本15日期限)になります。 総給与額から差引く基礎控除額は、中国人は3,500元、外国人(日本人も)は4,800元になります。 さらに、ランク別に定められた速算控除額があります。
総給与額2万人民元の日本人の場合を例にすると、
②15,200元 x 税率25%=3,800元 ③3,800元-速算控除額1,005元=所得税2,795元、 手取り給与額は 17,205元 となります。
中国の社会保険へ加入している方は、上記①の総給与額から、先ず社会保険料の個人負担分が控除されます。
参考までに、課税対象額4,500超〜9,000元以下の税率は20%、速算控除額は555元、
課税対象額9,000超〜35,000元以下の税率は25%、速算控除額は1,005元になります。
課税対象額500元以下のランクから最高80,000元超までの7段階に分けられています。
賞与(ボーナス)に対する個人所得税は、1年に1度だけは優遇された税率を利用できます。
計算式は、総賞与額÷12(ヶ月) x 税率 -速算控除額=所得税
同月に支給された給与に加算しなくてもよく、かなり低い所得税になります。この優遇策は春節を大切にする中国独特の優遇策ですね。
ボーナスを年に2度支給受けている方は、年に1度にまとめてもらうと、どれぐらいの所得税が節約できるか試算してみてはいかがでしょうか?