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第2回 中国事業における日本人若手人材の活用について。
■ 中国事業における日本人若手人材の活用
2000年から始まった日本企業の第3次投資ブームを受けて、日本人の中国勤務の求人案件は増加しています。当社が上海で1997年より営業を開始した際には、在留邦人向けに営業、顧客サービス等の日本人の現地採用でしたが、近年、技術者の即戦力人材やシニアの経営管理者を中途採用する流れを経て、より高度な職種へ、より広域へと採用の広がりを見せています。また、中国での雇用形態も「現地企業との契約により就労する日本人=現地採用」、「本社契約社員として中国勤務」など雇用契約形態も多様化しています。今回は中国事業や、中国勤務候補者になる日本人の若手人材活用をご紹介します。
■ 若手求職者の動向
下記は、当社グループへの登録者数ですが、中国勤務を希望する求職者数は、増加しています。中国での勤務経験者や、技術を持ったシニア層以外に、中国語を活かして就職を希望する若手層の増加が顕著です。若手層は、主には、中国での留学経験や勤務経験がある、もしくは日本で中国語を勉強した20代から30代を指します。
表1【1997-2004 Pasona上海 日本人 登録者推移】
◆中国の日本人留学生動向
現在、中国大陸で、中国語もしくは大学で専門の勉強をしている日本人の留学生は全中国で12000名を超えるといわれています。欧米に比べて比較的、留学コストも安く、日本からも近く、将来的に仕事に行かせるチャンスが多いということで中国への留学を志す若手層は増えています。留学生は、大学在学中や交換留学生が半分近くを占めますが、もう一つのグループとして、日本での数年間の勤務後、仕事を辞めて語学留学する人材が増えていることは注目されます。
留学先は北京が一番多く、6000名を超えると言われています。外国人が留学できる大学数もトップで、外国人の語学教育に強いHSKを実施している「北京文化大学」があり、世界中の外国人が集まってきています。
次が上海となっています。上海を留学先として選ぶ場合は、留学後、中国での就職を希望している人が多くなっています。語学上達のため、あえて日本人の少ない大学を選ぶ人もあり、外国人を受け入れている大学は、全国にわたり下記の表以外にも東北や広東エリアにも留学生はいます。
留学生は大きく分けて3つあります。多くの留学生は(1)の中国語を1年~2年程度、勉強する人が多く、(2)の本科生になる場合でも、1年程度の漢語進修生を経て本科に進みます。
(1)漢語進修生
··中国語を学ぶ。半年間の履修コースなので、学習期間はは選択可。1年~2年が多い。卒業資格等はなし。
(2)本科生
··ある一定の中国語能力を持ち、試験に合格し本科生となる。大学の正規卒業資格が得られる。4年間履修が必要。
(3)科目履修生
··科目を履修する。卒業資格はなし。
日本の高校を卒業後、本科生を志す人も増えており、専門課程に進む人も珍しくありません。また英語圏でも留学し、中国で更に中国語を勉強して、3ヶ国語を話せるトリリンガルを目指す人も増えてきています。
表2【日本人留学生の数】2005年:パソナ上海調査
大学(留学可)
留学生
華北
北京
57
6000
天津
23
300
青島
5
150
武漢
15
60
華東
上海
23
3500
蘇州
1
60
無錫
1
30
南京
13
200
杭州
7
100
内陸
成都
7
50
重慶
7
50
その他
10
1450
合計
12000
◆中国語のレベル
では留学をしている日本人の場合、中国語のレベルをどのように図ればいいのでしょうか。
中国語を母国語としない中国語学習者のための唯一・公認の中国語能力認定標準化国家試験(HSK)があり、本科生を受験する場合は必須であり、目安としては、基礎が全くなく、1年間中国で勉強した場合、HSK6級取得を目標としています。最低1級から最高11級まであり、仕事で必要な中国語の場合であれば、HSK7級以上が必要です。
◆中国の日本人留学生就職意識
当社では、昨年12月から今年1月にかけて上海、天津、大連で中国に留学する日本人向けに就職セミナーを開催し、約250名の参加者がありました。
アンケートの結果では、
中国勤務を希望する人が46%、日本勤務もしくはまだ決めかねている人が54%
でした。(表3)女性の参加が59%(表4)で、参加者は大きく分けて在学中の新卒採用組、第2新卒組、転職組の3つのグループに分けられました。20~24歳までが50%近くを占め、25-34歳では42%を占め、職歴年数3年~10年を有しています。(表5)
【中国で企業を選ぶ際の重視ポイント】
企業を選ぶ際には、仕事内容を一番重視していることがわかります。次に、会社雰囲気、給与水準と続きます。会社の知名度や規模の大きさは低く、教育体制の充実や福利厚生といった項目もそれほどこだわりません。(表6)
【希望勤務先】
留学先の地元志向が強い傾向が出ています。留学で馴染んだ土地で働きたい人が多くなっています。北京は、留学生が一番多く、北京での勤務を希望する人が多いのですが、 日本人の就職先としては少なく、逆に広東省エリアでは中国人で日本語が出来る人材が不足しているため、日本人採用の需要が一番多くなっていますが、広東で留学している学生は少ない。
表3【Pasona Shanghai 2005.12 N=250 セミナー参加者アンケート調査】
表4【性別】
表5【年齢】
表6【中国で働く際に企業を選ぶ際の重要ポイント】
◆中国勤務の希望業界と2005年度求人業界の分析:
(1)実際の求人業界は、電機電子業界で一番需要があり、次に商社貿易、食品化学と続く
(2)求職者の希望業界としては、貿易、サービス、メーカーが一多い。
他には、物流、食品など多岐にわたり、サービス業志向が強い。
表7【中国勤務の希望業界とパソナ上海2005 求人業界実績】
◆中国勤務の希望職種と2005年度求人職種の分析:
(1)希望職種は、営業が1/3以上を占め、2005年度の当社の求人職種の営業職種30%とほぼ同じ割合である。
語学を活かしての営業やカスタマーサービス業を志す人材が多い。
(2)業界経歴が不問の営業の場合は、若手採用の可能性チャンスがある。
(3)求人職種のトップは、工場関連の管理、技術職種が多い。
表8【中国勤務の希望職種とパソナ上海 求人職種実績】
■ 中国事業における日本人若手人材の活用
日本企業が中国での現地化を勧める為には、優秀な中国人の採用と活用が必要不可欠といわれています。しかし、中国勤務もしくは中国関連業業務において、日本人が必要とされるポジション、期待される役割、専門性は、中国人スタッフとはまた違う役割を担って今後も必要不可欠です。
具体的に、在中日本企業で日本人が求められるポジション、役割としては下記があります。
―日本本社の経営理念の伝道役
―本社との調整役、
―技術移転の担い手
―現地スタッフの育成
また下記の理由から、今後も日本人の採用ニーズは、引き続き高いと考えられます。
-自社内に海外・中国業務対応可能な人材育成がされていない中小規模の企業の中国進出が多数に上り、外部からの即戦力、経験者のスカウト、中途採用が増加。
-今後も、中国業務の拡大に伴い、社内の日本人中国業務要員不足の為、社外からの若手経験者のスカウトで対応せざるをえない。(既進出の大企業中心)
これまで、留学生の就労意識や希望職種、業界を紹介しましたが、「留学経験者」の日本人人材は、将来の中国業務を担う有力な候補生となります。留学経験者の場合、日本で新卒採用か、もしくは転職を経て日本採用として勤務する場合と、まず中国の現地で職務経歴を積み、日本での帰国就職を希望する場合が増加しています。当社での参加者アンケートでも46%が中国勤務、54%が日本での就職を希望しているように、仕事内容を重視し、勤務希望地にはこだわらない、流動的な人材グループが存在しています。
現在、多くの在中の日本企業は、日本人に求める能力、スキルとしては、第一に
「即戦力となる経験、能力」
が42%と高くなっておりますが、(表9)第二に
「日本人としてのマナー常識」
が27%、
「高いレベルの語学力」
20%と続き、留学経験者の若手層は、職務の経験値こそ高くはありませんが、マナー常識、高いレベルの語学力に応える優秀な若手人材はおります。こうした将来の金の卵となるような人材をしっかり見極めて採用をしていくことが中国業務を展開していく上で、必要不可欠になっているのではないでしょうか。
表9【日本人に求める能力・スキル】
【Pasona Shanghai 2004.12 N=151 在中日本企業アンケート調査】
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